柴又散策2
このごろ、資格の試験などがあったためなかなか日記をつけることができなかった。
書きたいことは山ほどあるが、とりあえず前回書きかけた柴又散策の続きを書こうと思う。
こちらの軽食屋・菜花でおいしいアイスコーヒーを購入し、江戸川の土手へと向かった。
この日はなかなか暑かったため、アイスコーヒーが特にうまかった。
「軽食 菜花」
葛飾区柴又7丁目18-8
ちなみに、この「菜花」という店は、あとで調べたのだが、『男はつらいよ』第1作、第4作のOPに登場したらしく、当時の屋号は「桶屋」だったそうだ。
今回はテイクアウトのアイスコーヒーだけだったが、次回立ち寄った際にはぜひうどんをいただきたい。
さて、てくてく歩いて江戸川の河原へ。
ここには去年、花火大会で訪れたことがあるのだが、昼間に来るのはこれが初めてであった。
去年、ここで花火を見た際、葛飾にゆかりのあるキャラクターをモチーフにした花火も打ち上げた。『キャプテン翼』と『リカちゃん』のものであった。てっきり『こちら亀有公園前派出所』がくるものと思っていた。という、どうでもいい話。
風が少し強かったので、川面は常に波立っていた。
河原はサイクリングロードやテニスコートなどがあり、多くの子どもたちがスポーツに励んでいた。
河原の芝生を踏みしめて進んでいけば、見えてきたのは矢切の渡し。
船の姿は見えないが、ここで待っていればすぐに来てくれるそうだ。今回は夕食の時間までに自宅に帰る必要があったので乗らなかったが、次は連れ合いと共に来てぜひ松戸へと渡ってみたい。
しばし河原で初夏の風を受けてぼんやりしながら過ごし、柴又駅のほうへと引き返す。
道中「寅さん記念館」と「山田洋次ミュージアム」を発見。とはいえ、寅さんシリーズを見たことがないので、見た後に立ち寄ることとして、今回は見送った。
「寅さん記念館」 東京都葛飾区柴又6-22-19
自分は、古民家や洋館に目がない。そのため、山本亭にはついつい飛び込んでしまった。
裏手にある池では、睡蓮がちょうどみごろ。蓮の花は美しいが、散った後の、あれはよくない。集合体恐怖症の自分には、ほんとうにあの穴だらけのものはだめなのだ。
山本亭では、入館料を支払う窓口で、お茶菓子も注文することができる。
庭を眺めながら、琴の演奏に耳を傾けつつ、おいしいお茶と茶菓子をいただく。この瞬間の、なんと幸福なことか。ああ、いますぐこの場で死ねたら、と縁起でもないことを考えた。
自分には希死念慮がある。
できることなら、うつくしく、善いものに囲まれておだやかに死にたいと常々願っている。自分の死にたいという気持ちには二種類あるのだが、陶然とした気分で「死にたい」と思うときは、自分が心から幸福を感じている証拠。ここで、穏やかに「ああ、死にたい」と思えたのは、ほんとうに、ほんとうに、ほんとうに、幸せだと感じられたからだ。
この山本亭には、鳳凰の間という唯一の洋間がある。立ち入ることはできないが、ほれぼれと見入っていた。うつくしく、善いものだ。残さなければならないうつくしいものだ。
「山本亭」 東京都葛飾区柴又7丁目19-32
さあ、柴又駅に戻って京成金町線へ乗り、京成金町駅に降りる。ここは、先述した花火大会の日に降りたことがある駅だ。ここから徒歩3分、JR金町駅へと向かう。JR常磐線に乗ってひと駅、やってきました亀有駅。
とはいえ、時刻はすでに16時。ぼちぼち家に帰らねばならぬため、さらりと見物。
亀有駅の南口を下りれば、両さん、中川、麗子のカラー像がお出迎え。
『こちら亀有公園前派出所』は、父が全200巻集めていた。私が幼いころ、TVでアニメ放送をしていて、毎回げらげら笑い転げたものだった。今思えば、なんだかなともやもやするところの多い作品であるが、幅広いジャンル(昭和の懐かしいもの、ミリタリーからオタクカルチャー、漁業農業などなど)を網羅した作品で、作者の着眼点・発想力・好奇心の広さに感服する。
南口から商店街のゆうろーどをてくてく歩く。
ゆうろーどは『こち亀』にも登場する商店街である。
ピヨピヨピヨと、インコのような声が聞こえるので、何かと思えば、鳥かごがずらりと並んだ昔ながらのペットショップがあった。
他の通りにも進んでみれば
東京に対するイメージは、やはり大都会。銀のビルがずらり立ち並び、どちらかというときゅうくつな印象が強い。
だが、ここ亀有には広々としたショッピングモールArio亀有がある。これにはちょっと驚いた。東京23区に対する偏見であった。
〒125-0061 東京都葛飾区亀有3丁目49番3号
Ario亀有をちらりとのぞいて、香取神社へと。
この香取神社にも両さんの像が。頂天を目指せといわんばかりの誇らしげな姿だ。
ここ香取神社にはおしゃれなカフェも境内にあるが、この日はとんでもなく混んでいたので断念。
〒125-0061 東京都葛飾区亀有3-42-24
最後に駅に戻り、北口におわす両さんにご挨拶。