覚え書き

特撮好きがいろいろ書きます

仮面ライダージオウ EP35

今回は『キバ』編前編。今回は脚本を、『キバ』を書いてきた井上敏樹氏が担当している。

 

冤罪で収監された祐子は、無実を訴え続ける。

匂いや服だけで、相手がどのような生活を送っているのかなどを一瞬で見極めるすぐれた観察眼を持つ祐子。なんだか井上イズムを感じる造形のキャラクター。

そんな祐子に目をつけたオーラは、彼女をアナザーキバに選んだ。

ガルル、ドッガ、バッシャーを従えたアナザーキバは新たな王になるべく、行動を開始する。

ガルルたちは相変わらずキャッスルドランに幽閉されているのだろうか。だから、キバの命令には背けずに従っているのだろうか。それがたとえ、アナザーライダーだったとしても。

 

祐子が走ってくる車を足で止めるシーンは、名護慶介を想起させた。自分自身を正しいと思い、自分の正義を貫こうとするさまは名護慶介と祐子は似ている。似ているとはいえ、祐子はおそらく冤罪になった身であるので、背景を考えるともちろんまったく違うのだが。(初期から中期の名護も自分の正義を貫くためにどう考えても卑怯だったり外道な手段を選んでいたな、とふと思い出した。ファンガイアを利用したりとか)

 

それにしても、やはり今回は脚本が井上氏とあって雰囲気が違う。これまでもクジゴジ堂での食事シーンは何度も描かれてきたが、今回のアップルパイのくだりの食いっぷりはなかなか独特。

テンポもこれまでのジオウとはどことなく違うのだが、慣れして親しんできた井上脚本なので、自分的には懐かしさもある。

 

しかし、ソウゴの初恋相手という高校生。高校生だのに、年下の少年の顎をなでて「かわいい坊や」とはなかなか……(そういうところも井上脚本ぽい)。そして、下あごを撫でられて陶然とするソウゴと、それを猫とからかうゲイツのやり取り。このふたりの距離もずいぶん近くなったもんだ。井上脚本での恋愛描写は、毎度思うのだがニチアサのギリギリを攻めるものが多いと思う。直接的な描写はなくとも、エロティックなんだな。

 

「カフェ・マル・ダムール」に立ち寄る次狼。どうやら前のマスター木戸明氏は経営をやめ、今は別の人物が店を引き継いでいるようす。

どうでもいいが、『キバ』本編ではこのカフェにラブラドールレトリーバーのブルマンが飼われており、過去編現代編をつなぐ存在として登場していた。のだが、22年も生きるラブラドールというのは、なかなかすごい。10~14年ほどの寿命の犬だ。よっぽど大事にされてきたのだろう。どうでもいいかもしれないが、私が実家にいたころ一緒に暮らしていたラブラドールレトリーバーの女の子は13歳で老衰で亡くなった。近所にいたゴールデンレトリーバーも10歳で亡くなった。

 

アナザーキバとの激闘のさなか、はるか空のかなたから飛来する物体。

それは宇宙のライダー、仮面ライダーギンガだった。

ギンガの声を演じておられるのは、『仮面ライダーキバ』でキバットを演じ、『ウルトラマンギンガ』でギンガ本人の声をあてた杉田智和氏である。とても偶然とは思えぬので、おそらく含みのあるキャスティングなのだろう。

宇宙からやってきたとだけあって、ギンガの強さはけた違い。ジオウトリニティでも歯が立たぬほど。

それにしても、ジオウトリニティへの変身時のゲイツとウォズのリアクションが毎回毎回おもしろい。

 

果たして、ギンガの目的とは。祐子の関与した事件の真相とは。次狼、そしてゆりの活躍は。本物のキバは登場するのか。気になるところだ。